2LDK4人暮らし

2LDKで3歳&0歳姉妹2人と4人暮らし中。早期リタイアに向けて株取引を始めました。

エリザベス1世

エリザベス1世といえば、イギリスの絶対王政を確立した偉大な女王ですが、

その権力の確立に香りを活用したのではないかという説があります。

それは、ポプリという単語を日本に紹介したことで著名な、熊井明子先生の著書『香りの旅』での一節です。

「女王の手はきっと化粧水や香り手袋の、薔薇やアンバーグリースやムスクの入り混じった甘い匂いがしたに違いない。

たぶん判断力も一瞬にぶり、クラクラっとするような。」

薔薇とアンバーグリスとムスクという組み合わせはどれも媚薬を連想させるフェロモン系の香りです。

華やかで、からみつくような、深みのある甘さなイメージです。

エリザベス朝はイギリスで香り文化が花開いた時代でした。

エリザベス朝は、イギリスのルネサンス期であり、

ステイタスとしての贅沢な消費が行われていました。

邸宅を建て替え、巨大なガーデンを付設することが貴族のステイタスとなり、

果樹やハーブの栽培が盛んに行われました。

植物に対する関心が、庭造りと関連して深まったのです。

エリザベス女王は手作りの香りを奨励し、

ホークステッドの城にスティルルーム(花やハーブを蒸留したり、調香などのための部屋)を作ったり、

女官にスウィートウォーターや化粧品の手作りをすすめました。

当時、ヨーロッパでは香り手袋や匂い袋、薫香、ポマンダーなどが流行しており、

イギリスでも、イタリア人ジローラモ・ラッセルが書いた「マスター・アレクシス・ド・ピューモントの秘密」などを参考に、香り小物を作成したようです。

女王が香り手袋を使用していたのではないか、というのは熊井先生の仮説ですが、

44年もの間イギリスに君臨してきた背景には、

女性であることをデメリットと考えるのではなく、女性であることを最大限活用してきたという事実があるでしょう。

エリザベス女王の残したものには、

数千着あったといわれる衣裳があり、二千組の手袋があり、多くの宝飾品があったといいます。

残された肖像画でもわかるように、エリザベス1世は老いた姿をけして国民には見せず、

いつまでも若く、美しく、権威ある姿を人々に示し続けました。

その背景には、見えない「香り」の力があったのかもしれません。

参考文献;シェイクスピアの香り 熊井明子 東京書籍

     香りの旅 熊井明子 千早書房

     世界の食文化17イギリス 河北稔 農村漁村文化教会